医者にかかるときの基礎知識

医療費と患者負担

通院するとき
1.通院時の負担のあらまし

70歳未満は3割負担(3歳未満は2割負担)

 通院して医療を受けたとき、3歳以上70歳未満の本人・家族は、平成15年4月から医療費の3割を負担します。
 なお、平成14年10月から、3歳未満の乳幼児については子育て支援の一環として2割負担に軽減されています。また、70歳以上については、原則1割(一定以上所得者は2割)負担となっています。
 保険薬局で調剤を受けたときも、調剤の費用について同じ割合で負担します。いずれの場合も、10円未満は四捨五入されます。

◆薬剤一部負担金は廃しされました。

3歳未満とは

 3歳到達日(3歳の誕生日の前日)が属する月までをさします。3歳の誕生日が各月の1日ならば前月まで。2日以降であれば誕生月までが「3歳未満」に該当します。

70歳以上とは

 70歳到達日(70歳の誕生日の前日)が属する月の翌月からをさします。70歳の誕生日が各月の1日であれは誕生月から、2日以降であれば誕生月の翌月から「70歳以上」に該当します。

一定以上所得者とは

次のいずれかに該当する人が、一定以上所得者となります。
(1) 健康保険の高齢受給者
 (ア) 標準報酬月額28万円以上の被保険者である高齢受給者
 (イ) その被扶養者である高齢受給者
 (ウ) 標準報酬月額28万円以上の老人医療対象者(被保険者)の扶養者である高齢受給者

(2) 老人医療の対象者
 (ア) 市(区)町村民税の課税所得金額が124万円以上の老人医療対象者
 (イ) 同124万円以上の70歳以上(高齢受給者を含む)と同じ世帯の老人医療対象者

 ただし、上記(1)(2)に該当する場合でも、同じ世帯の70歳以上の収入合計額が637万円(世帯に70歳以上が1人なら450万円)未満であれば、申請により1割負担が適用されます。

一定所得者の判定

 高齢受給者・老人医療対象者に該当したときに行われます。また、毎年一回定期的に見直されます。

2.特別料金を支払うとき

200床以上の病院で初診・再診を受けるとき

紹介状を持たずに200床以上の病院で初診を受けるとき
 病床数が200床以上の病院は、診療所などから紹介を受けた患者の診療を行うのが一般的です。そこで、他の医療機関からの紹介状を持たずに200床以上の病院で初診を受けたときに、その病院が定める特別料金の支払いを求められた場合は、患者がその全額を負担することになっています。
 この場合、初診についての特別料金のほかに、通常の定率の一部負担金も支払います。

【紹介状があるときや緊急時には特別料金は不要】
200床以上の病院での初診でも、診療所などから文書で紹介を受けたときや、緊急などのやむをえない事情があるときは、特別料金は不要で、通常の初診と同様の一部負担金を支払います。

他の病院(200床未満)や診療所などを紹介されたのに、200床以上の病院で再診を受けるとき
 200床以上の病院で診療を受けた患者に対し、病院から、次回(再診時)以降は他の病院(200床未満)や診療所で受診するように紹介状を出すという旨の文書が交付される場合があります。
 この文書が交付されたにもかかわらず、その病院で再診を受けたときに、病院が定める特別料金の支払いを求められた場合は、患者がその全額を負担することになっています。
 この場合、再診についての特別料金のほかに、通常の一部負担金も支払います。

【文書が交付されないときや緊急時には特別料金は不要】
200床以上の病院での再診でも、病院から文書が交付されないときや、緊急などやむをえない事情があるときは、特別料金は不要で、通常の再診と同様の一部負担金を支払います。
また、文書が交付された当日に再診を受けた場合は、特別料金は不要で、通常の再診と同様の一部負担金を支払います。

特別料金についての患者への情報提供と同意

 患者が希望しなくても特別料金はとられるのでしょうか。

 特別料金が必要となるサービスは、患者への十分な情報提供を前提とし、自由選択と同意があった場合に限り行われます。
たとえば、初診の特別料金が必要な200床以上の病院では、「他の保険医療機関からの紹介によらず直接来院した患者については、初診の費用として○○○○円を徴収します。」などと、院内の見やすい場所に、患者にとって分かりやすく掲示されています。
また、200床以上病院の再診に関する文書には、次の事項が記載されます。
(ア)他の病院または診療所に対し文書で紹介する用意があること
(イ)紹介先の医療機関名
(ウ)次回以降特別の料金として○○○○円を徴収することとなること
なお、特別料金を支払った場合には、特別料金の額を記載した領収証が発行されます。

自分の都合で時間外診察を受けるとき

 緊急の受診を必要としていないものの、患者の都合で、医療機関が表示している診療時間以外の時間に診察を受けたときに、その医療機関の定める特別料金の支払を求められた場合は、患者が全額を負担します。
 なお、普通は時間外とされない時間帯(たとえば平日の午後4時)でも、その医療機関が表示する診療時間以外の時間であれば、時間外診察についての特別料金の対象となることがあります。

【急病などの場合には特別料金は不要】
 診療時間外に診察を受けた場合でも、患者の都合や希望によるものでなく、急病などやむをえない事情があるときは、特別料金は不要で、通常の診察と同様の一部負担金を支払います。

希望して予約診察を受ける場合

 予約診察の体制が整えられている医療機関で、患者が希望して予約診察を受けるときには、その医療機関が定める特別料金(予約料)を患者が全額負担します。
 予約診察については、次のような取り扱いが定められています。

(1) 予約時間から一定時間(30分程度)以上待たされた場合には、予約料は徴収されないことになっています。

(2) 医療機関は、予約患者について予約料を徴収するのにふさわしい診療時間(10分程度以上)の確保に努め、医師一人が一日に診察する予約患者は40人程度を限度とすることとされています。

(3) 医療機関では予約診察を行う時間帯などをあらかじめ定め、院内に掲示することになっていますので、予約診察を希望する患者は、そこから希望する時間を選びます。
なお、医療機関は、予約料を徴収しない時間を延べ診療時間の2割程度確保し、予約患者でない患者についても、おおむね2時間以上待たせることのないように診察を行うこととされています。

保健薬になる前の医薬品の投与を受けるとき

 保健診療を行う際に使用できる医薬品は、厚生労働大臣が定める「薬価基準」に収載されているものに限られています。
 ただし、まだ薬価基準に収載されていない医薬品でも、薬事法上の承認を受けた医薬品については、承認を受けた日から90日以内のものであれば、一定の条件を満たした医療機関・薬局で、患者の希望により投与を受けることができます。

 この場合、その医療機関または薬局が定める特別料金(医薬品の薬剤料などを基準とした額)を患者が全額負担します。なお、医療機関で処方せんをもらって薬局で医薬品の投与を受ける場合には、医療機関と薬局の両方で、特別料金を徴収される場合があります。

個人輸入の医薬品 保険薬局での実費徴収
 医薬品を個人輸入した場合には、どうなるのでしょうか。

 日本で承認を受けていない医薬品を医師が個人的に輸入し、患者に処方した場合は、その診療は保険給付の対象にはならず、医薬品代を含んだすべての医療費が患者の負担です(自由診療)。
 ただし、患者自身が自己の責任で輸入し、使用すること自体は禁止されておらず、この患者に対する保険給付が一律に制限されるものではありません
 保険薬局で実費徴収が行われる場合があるのでしょうか。

 保険薬局で、①治療上の必要がないのに、患者が希望して内服薬を一包化(2種類以上の内服用固型剤を服用時点ごと一包にする)してもらったときや、②治療上必要がなく治療上問題がない場合に、患者が希望して薬剤に甘味剤などを添加してもらったときには、実費が徴収される場合があります。
3.歯科で特別料金が必要なとき

13歳未満がむし歯治療後の継続管理を受けるとき

 小児のむし歯について、再発抑制に対するニーズが高まりつつあります。そこで、13歳未満の小児には、むし歯が治療後に再発しないように、ひき続き指導と管理が行われることがあります。

 むし歯の数が少ない(多発傾向にない)13歳未満の小児が、この指導管理を受けるときは、費用の一部を患者が特別料金として負担します。具体的には、フッ化物局所応用と小窩裂溝填塞の費用が特別料金の対象となります。
特別料金を除く費用については、通常の一部負担金を支払います。

むし歯の多い13歳未満児の小児の場合
 13歳未満のむし歯の数が多い(多発傾向にある)小児が受ける指導管理は、すべて保険診療の対象です。このときは、通常の一部負担金のみを支払えばよいことになっています。


前歯の金冠やさし歯に特別の金属を使うとき

 むし歯の治療で、削った部分に金属をかぶせる方法(鋳造歯冠修復)や、つぎ歯やさし歯など、根の部分を残して金属の支柱を埋めた人工歯を継ぎ足す方法(歯冠継続歯)が行われています。

 永久歯の前歯(上下6本)の鋳造歯冠修復や歯冠継続歯については、希望すれば14カラットを超える金合金や白金加金を使うことが出来ます。このとき、通常保険診療で使用される金銀パラジウム合金との差額を患者が特別料金として負担します。
特別料金をのぞく費用については、通常の一部負担金を支払います。


金属床を使った総入れ歯をつくるとき

 通常の保険診療では、総入れ歯(総義歯)の床部にはアクリリック樹脂かスルフォン樹脂が用いられます。樹脂床よりうすく、なじみやすいといわれているのが金属床です。

 この金属床による総義歯を希望したときは、スルフォン樹脂との差額を、患者が特別料金として負担します。特別料金を除く費用については、通常の一部負担金を支払います。

健康保険と歯の治療

 歯の治療は、診察・検査を行い、治療方針が決まったら、むし歯を削ったり抜いたりします。ここまでの段階と歯ぐきの治療は、すべて健康保険で受けられます。

 その後、削った部分や抜いた後を元の歯の形に修復することになります。このとき使う金属などの材料に健康保険で認められるもの(通常の保険診療で認められるものと、特別料金を負担することで認められるもの)と、認められないものがあります。
認められない材料を希望したときは、その材料の費用に加えて、その治療のための医療費も、すべて患者の負担(自由診療)になります。

在宅医療を受けるとき

 健康保険で受けられる在宅医療には、おおまかにいって、(ア)通院できない患者に対して医師などが自宅を訪問して行う診療や指導と、(イ)自宅で療養している患者が受ける医師の指導管理があります。

 たとえば、(ア)としては、緊急患者への往診や寝たきり患者への定期的な訪問診療・訪問看護などが、(イ)としては、インスリンの自己注射を行う糖尿病患者や、在宅自己導尿を行う患者への指導管理などがあげられます。

 在宅医療を受けるときは、通院して医療を受けたときと同様に一部負担金を支払います。上記①の往診や訪問診療では、医師などの交通費(実費)は全額が患者の負担になります。

訪問看護ステーションの看護を受けるとき

 医療機関だけでなく、訪問看護ステーションの看護師などが、かかりつけの医師の指示にもとづいて訪問看護を行っています。健康保険の本人・家族については、主に在宅の末期がん患者、難病患者、重度障害者などが、この訪問看護を受けています。

 訪問看護を受けたときは、通院と同率の基本利用料を支払います。患者が希望して、休日・時間外や2時間を超える長時間の看護サービスを受けたときは、その分の特別料金が必要です。