整形外科

頸椎疾患の話題
札幌南整形外科病院
院長 大和田 修

 当院では1985年(昭和60年)2月から2005年(平成17年)12月までの20年間に頸椎の手術は749名の患者さんに行ってきました。勿論90%は保存治療で行っていますが、手術例の内訳を述べておきます。

頸椎症性頸髄症 407名 (54%)
頸椎々間板ヘルニア 183名 (24%)
後縦靱帯骨化症 121名 (16%)
リウマチ 19名 ( 3 %)
脱臼・骨折 12名 ( 2 %)
その他 7名 ( 1 %)

その中で最もよく見受ける病気が次の3疾患です。

1.頸椎症性頸髄症
頸椎(7個)自体や椎間板の変性から骨棘が出来て無理がかかる病気です。頸部や肩甲骨周辺に痛みがきます。全く加齢的変化であり、仕事やスポーツからも悪化させる場合があります。普通は病院での温熱治療、電気療法などや頸椎牽引、運動療法で改善します。また、日常生活での枕の工夫も大切です。もし、手のしびれ、疼痛、筋肉萎縮に伴う運動障害の出現の場合はMRIの検査も行ってください。また、上肢に強いしびれ、巧緻動作障害が出現し、下肢に痙性麻痺、膀胱直腸障害などが出てくると手術(前方法、後方法)が必要となります。

2.頸椎々間板ヘルニア
頸椎間にあって椎間板を構成する周辺の繊維輪が亀裂、断裂を起こして中央の水分含有量の少なくなった髄核が脱出した状態がヘルニアです。中高年が多発しますが、偏側に起こると脊髄から分枝した神経根に当たり、片側の頸部、肩から肩甲骨にかけての痛みやしびれが出現し、上肢への放散痛や筋力低下を招きます。ところが、中心に突出したときは脊髄の本幹を圧迫して手指の巧緻動作障害や歩行障害、膀胱直腸障害(排尿障害や便秘など)が出現します。神経根への圧迫は大方保存治療で軽快します。理学療法による牽引や温熱治療、電気治療、薬物療法、安静のためのコルセットなどです。しかし、脊髄圧迫が起こると手術(前方法)が必要です。

3.頸椎後縦靱帯骨化症
原因は遺伝子とも関係していると云われていますが、まだ結論はでてません。椎体の後面で、脊髄に接する部分の後縦靱帯が骨化して、脊髄を圧迫します。進行すると頸部・肩の疼痛、手足のしびれ、手指の運動障害、歩行障害が生じます。中年期の男性に多いようです。診断はレントゲン、CT、MRIが有効です。症状の軽いうちは保存治療ですが、運動障害が明瞭になると手術となります。当院では後方より圧迫除去する目的で、脊柱管拡大術を行います。