耳鼻咽喉科

めまいについて
おおさか耳鼻咽喉科クリニック
院長 大坂 雅明
女性に多い自律神経失調症によるめまいが最近急上昇中です。

 耳鼻咽喉科の疾患のうち、花粉症と並んでめまいは現代病といわれるほど増えています。原因として、疲労やストレスが昔と比較にならないほど現代人にふりかかっているからです。したがって、ストレスが軽減されれば、めまいを訴える患者さんの7割は自然に治ってしまうと言っても過言ではありません。しかし、残りの3割がやっかいなめまいを繰り返します。めまいを起こす代表的な疾患にメニエール病がありますが、その発生頻度は少なく、めまい患者さんの100人に数人程度。したがって、めまいがしてもメニエール病とは思わず、あまり心配をしない方がよいと思います。
 メニエール病の診断基準は、蝸牛症状(耳鳴り・難聴)を伴う発作性の回転性めまいを繰り返し、それ以外の神経症状がないことが前提になります。ですから、耳鳴りや難聴がないめまいはメニエール病とは言えません。
 そのほか、内耳が原因でめまいを起こすことがあります。良性発作性頭位めまい症といい、頭の位置を急に変えたとき、グルグル回るようなめまいが起こる病気です。しかし、そのほとんどは薬の服用で自然に治る可能性が高いようです。
 また前庭神経炎といい、風邪のウイルスが神経を侵すことが原因で、強烈なめまいを引き起こすものもあります。これは、一般的に耳鳴り・難聴がないのが特徴です。そのほか、椎骨脳底動脈循環不全症といい、脳に流れる血流が悪くなることによって起こるめまいがあります。これは高齢者に多いようです。
 さらに、女性に多い自律神経失調症によるめまいを忘れてはいけません。じつは最近、このめまいが大変増えています。原因として現代女性のストレスが非常に多くなっているためと考えられます。親、子ども、夫、友人などの複雑な人間関係に悩み、過度の緊張状態からくる不眠も重なり、めまいを訴えるのです。
 とくに30代前後の独身女性なら仕事や恋愛、既婚者なら子どもや家庭問題などが原因で精神的にも不安定になりやすく自律神経のバランスを崩しやすいと考えられます。それがめまいを繰り返す大きな原因となっています。ただ、脳出血や脳腫瘍などの命に危険があるようなめまいを除けば、これまで述べたように、めまいは耳が原因となる場合が少なくないので、まず一度、耳鼻咽喉科の専門医を受診し、それに合った治療をするのが良いでしょう。さらに、ストレスを上手に処理し、睡眠を良くとり体調を整えることが大切です。