歯 科

口腔癌について
歯学博士
飯田 一実

 NHK朝の連続テレビ小説で、現在「ほんまもん」が放映されています。この中で主人公の父親である山中一路が、料理人の命である舌に出来た悪性腫瘍で命を落とす場面がありました。
 口の中に出来る癌には、舌癌の他に歯肉癌もあり、いずれも死に至る病気です。
 口腔癌は、胃癌・大腸癌やその他の癌に比べて、口の中で直接見えるのが特徴です。
 米国では毎年30,000例を超える口腔咽頭癌の症例が報告されていて、毎年米国では8,000人が口腔癌で死亡しているとの報告があります。この死亡率は子宮頸癌・悪性黒色腫よりも高い率です。
 喫煙や多量の飲酒は口腔癌の主な原因とされていますが、タバコも酒も飲まない患者さんも25%居ます。
 未処理のむし歯の鋭利な辺縁や、不適合な義歯が原因になることもあります。
 他の研究でも、歯科医院を訪れる5~15%の患者さんに何らかの病変があり、ほとんどは良性のものであるが悪性のものも6%程存在するとされています。
 口腔癌は早期発見が可能ですし、検査は痛くないので、治り難い潰瘍や腫脹がある時は、かかりつけの歯科医師或いは口腔外科医に相談して下さい。
 むし歯は放置しておかず、早く治療を受け、適合の悪い義歯は作り変えてもらうことが大切です。