歯 科

食を楽しむ
歯学博士
飯田 一実

咀嚼の重要さイメージ

 和食の特徴は汁物を飲み、ご飯を食べ次におかずを食べ、箸が交互に汁物・ご飯・おかずと平等に行くのが良いとされていて、これを三角食べと言い、口の中でご飯とおかずが混ざり合い、食べ物が美味しくなる口中調味の食文化です。このためにも良く噛み、唾液をたくさん出すことが必要です。

 東京医科歯科大学の大山喬史教授は、日本料理の特性として、歯触り、歯ごたえ、喉越しの良さなどの食感に触れずには語れないとしています。
食事の時に音を立てることを嫌う欧米人に比して、日本では食べるときに発する擬音語が発達しています。ばりばり、ぼりぼり、しこしこ、こりこり、しゃきしゃき、しゃりしゃりなどです。

 甘味・酸味・辛味などの味覚は舌で、日本人が発見したうま味は喉元で感覚されると云われます。
私達は生まれ育った土地で取れた物を食べることが健康に最も良いとされています。
コーカサス地方の人はヨーグルトを食して長寿であるとされていますが、それはコーカサスの人にあった食べ物だからであり、そのまま日本人に合うわけではなさそうです。日本人には昔からある味噌汁が同じ発酵食品の味噌を使用することで、コーカサス地方の人々のヨーグルトと同じ働きをするようです。

 私の住む町内の敬老会ではいつも豚汁が高齢者の方に大変好まれています。多くの種類の野菜が具として入っていて、豚肉の良質のタンパク質もあり、野菜の中のカリウムが味噌の塩分を打ち消し、身体に良いことを、お年寄りは体感しているのでしょう。
味噌は発酵食品なので、味噌汁を作る時は火を止めてから味噌を入れることが大切であると料理の専門家は説いています。味噌は生き物なので煮立たせたら死んでしまうからです。

 美味しい食べ物の歯ごたえ、歯触りを楽しむためにも健康な自分の歯が必要です。
日頃から定期的に健診を受け、予防に力を入れ、早期に治療を受けることが大切です。