泌尿器科

50歳を過ぎたら、前立腺のことを考えよう
芸術の森泌尿器科
院長 斉藤 誠一

 前立腺という臓器は膀胱の下にあって尿道を取り囲むように存在しています。精液の液体成分を作っており、子供を作ることに関係しています。ところが子供を作ることが必要なくなってしまうような年齢になると今度は内部が大きくなっておしっこのとうり道をふさいでおしっこをでずらくします。これが肥大症であったり、癌であったりします。

 肥大症から癌になることはありませんが、同時に存在することがほとんどです。  実際に皆さん口にはしませんが、50歳を過ぎた方は3人に一人は前立腺肥大症の治療を受けているのが実情です。
一番最初に起こる前立腺肥大症の症状は夜おしっこに起きるようになることです。 夜2回以上おしっこに起きるようになったら要注意です。あとは勢いが弱い、残っている感じがするといった症状がありますが、最終的にはおしっこが一滴も出なくなります。
前立腺肥大症のかたで日常生活で注意してほしいことは、おしっこをがまんしない、便秘にならない、お酒はほどほどに、乗り物に長く乗ったりしない、長く座ったりして同じ姿勢でいないこと、そしてかぜ薬を飲む時は十分に注意することです。かぜ薬でおしっこが出ずらくなることがあります。

 前立腺癌は、欧米で男子のかかる癌の中では一番多い病気です。アメリカでも50年前は胃癌が一番多かったんですが、そのうちに肺癌に変わり、数年前には前立腺癌が一番になりました。日本も同じ道を歩んでおり、現在は胃癌から肺癌に変わりました。次に前立腺癌が一番になるのも時間の問題と思います。その原因として生活環境の欧米化によるものが考えられます。面白い研究があって、日本に少なくてアメリカに多い原因を調べるために、ハワイに移住した日本人を調べたところ、日本に住んでいる日本人より多いという結果でした。やはり、食生活が原因なのでしょう。
前立腺癌にならないような食生活として、現在明らかにされていることは脂肪を控えて緑黄色野菜、とくに大豆、トマト、緑茶を多くとることがよいとされています。

 また、癌になりやすい家系というのがあります。特に前立腺癌に関しては家族内に発生することが証明されています。例えば一親等、つまり親、兄弟に前立腺癌が一人いたらほかの人より2倍癌になりやすいし、さらに二親等、つまりおじいさんとかおじにも一人いたら9倍癌になりやすくなります。

 前立腺癌を検診するための検査はいたって簡単で、PSAという血液検査を行えばよいのです。日本語でいうと前立腺特異抗原といいますが、この値が高いと癌になっている可能性があります。

 予防には大豆、トマト、緑茶だという話をしましたが、実際男性のかたは50歳を過ぎたら泌尿器科にいってPSAという血液検査を受けましょう。1年に1回でいいんです。一年に一回のPSA、それだけで十分です。